毎年、11月11日はVeterans Day(復員軍人・退役軍人の日)第一次世界大戦を終結させた、休戦条約の締結記念日であり、戦争に行った元軍人達に敬意を表す日となります。政府関係の仕事や銀行、郵便局、一部の企業などはお休みになります。朝の10時にMadison Square Parkにて花輪の供花式があり、その後、全米最大のNYC Veterans Day Paradeが5番街にて開催されます。
日本では元兵士というと、おじいちゃんのイメージ、終戦後なんて言うと昔のイメージですが、アメリカでは第二次世界大戦後も朝鮮戦争や、べトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン紛争と、たくさんの戦争をしているので、おじいちゃんだけでなく年齢、男女も関係なく退役軍人の方々は様々です。また現在もなお、紛争に関わっている人々が大勢いる為、Veterans Day は特に戦争に行ったことのある元兵士の方々や、その家族にとっては重要な日となります。軍の関係者だけでなく、高校のマーチングバンドやマスメディアなどのボランティアグループ、警察や消防など様々な団体が参加していました。
5番街は完全に封鎖して行われ、全米ネットで生中継されます。陸海空軍バンドが演奏しながら行進してくると、警備員さん達は拍手をしろとばかりに観客をあおり、アメリカの小さな国旗を配り、元兵士を称えようと盛り上げます。皆さんは日本の国旗を振ったことはありますか?
負傷した元兵士や車椅子での行進も見られました。帰還兵は戦場での精神的な傷によって今でも苦しんでいる人々がいます。家族同志であっても理解してもらえないという不安などから離婚し家族を失ったり、自殺をしてしまうといったケースや、アメリカでの路上生活者は元兵士も多いという悲しい事実もあるようです。
アメリカはベトナム戦争以後、徴兵は実施していないのですが、徴兵登録制度は存在しており、2017年より女性の登録義務も拡大されると言われておりましたが、実現はしていないようです。アメリカ市民は徴兵登録制度を拒むと、罰金を科せられる可能性もあり、大学の奨学金がもらえなかったり、運転免許証もとれなかったり、将来の就職先にも影響するようですので18歳~26歳までのアメリカ市民は、ほぼ、この制度に登録をしています。現在のところは、志願兵制ですが比較的、経済的に貧しい階層やアメリカ国籍を獲得する為の志願率が高いようです。命をかけてという意味では代償が大きく、考えさせられる問題です。
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